カイロプラクティックは効果があるのか?~腰痛編~(論文紹介)

こんにちは!

 

 

今回はカイロプラクティックは効果があるのか?

という疑問に答えていきたいと思います。

論文紹介です。 

 

※すぐに知りたい方は「結論・まとめ」へ飛んでください。

 

 

 

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※画像はイメージです。本文の内容を反映しているものではありません 。

  

 

そもそも、カイロプラクティックとは?

さて、皆さんは、「カイロプラクティック」をご存じでしょうか?

あの、首とか背骨をポキポキするやつでしょ?

というイメージでしょうか。

 

カイロプラクティックとは、 以下のように説明されています。*1

脊柱矯正術の一つ。アメリカ合衆国の治療師ダニエル・デービッド・パーマーが創始した。病気は神経系の機能障害によって起こるという考え方に基づいて,身体,特に脊柱を調整することにより,神経系の機能回復をはかろうとする手技療法。医学の専門分野ではなく,治療にはカイロプラクターがあたる。アメリカにはカイロプラクターの資格を得るための大学もあるが,日本では未公認である。

 要するに、手技で骨のズレを調節し、神経の機能を回復させる治療法、という感じですね。

 

私もカイロプラクティックのお世話になったことがあり、非常に信頼を寄せているのですが、日本では法制化されていません。*2*3

つまり、特に資格も届出もなしに、「うちはカイロプラクティックをやっていますよ!」と謳っても良いわけですね。

※もちろん、普通の営業の許可とかは必要です。

 

日本でカイロプラクティックの許可がないということは、

カイロプラクティックは認めるに値しない治療法なのでしょうか???

 

 

今回は、カイロプラクティックの効果には、科学的根拠があるのか?
というところを紐解いていきたいと思います。

 

 

論文紹介

ご紹介する論文はこちら!

ジャジャン!

Effect of Usual Medical Care Plus Chiropractic Care vs Usual Medical Care Alone on Pain and Disability Among US Service Members With Low Back Pain: A Comparative Effectiveness Clinical Trial. *4

・タイトル訳

アメリカ兵の腰痛の痛みと機能障害に対する、通常の治療だけvs通常の治療+カイロプラクティックの効果について:比較有効性臨床試験

 

 

ーー

ちなみに、本論文は「オープンアクセス」です。*5

日本学術振興会によると、

論文のオープンアクセス化とは、簡潔に言うと、誰でもWebを通じて無料で自由に論文へアクセスできるようにすることです。

(中略)

論文のオープンアクセス化が拡大すれば、学術情報が様々な制約なく流通・入手することが可能となり、学術研究の発展に寄与します。また、異なる分野の研究成果に触れることも容易になるため、研究の幅が広がり、さらには、世界の国々の情報格差の解消にも役立ちます。

要するに、ネットにアクセスさえすれば、誰でも人類の英知に触れることができるよ、という素晴らしいシステムなのです!

今この記事を読んでくださっている方なら誰でも、注釈のURLにアクセスすればから論文を読むことができます。

興味をもった方は、是非自分の目で内容を確かめてくださいね。

もし、ひろろが書いてる内容は全然違う!と思ったら教えてください。<(_ _)>

ーー

 

 

目的

 本研究のテーマは
「通常の治療にカイロプラクティックを加えることで、より良い結果が得られるのか?」です。

 

方法

3か所の病院で、2012/9/28-2016/2/13の期間で行われました。

年齢層は腰痛持ちの18-50歳で、患者一人当たりの調査期間(グループ分けから治療終了まで)は6週間です。

(痛みの評価等の調査自体は12週目まで行っています。)

 

腰痛に対して、通常の治療を受けるグループと通常の治療+カイロプラクティックを受けるグループの二つに分けて調査しました。

※通常の治療とは、主に抗炎症作用のある薬の服用・注射や理学療法、外科手術になります。

 

結果と考察

 通常治療にカイロプラクティックを加えるとこで、「腰痛の痛み」「腰の機能」が有意(統計学的に差があるという意味)に改善しました。
ちなみに「治療に対する満足度」も有意に高値になりました。

また、カイロプラクティックによる深刻な副作用はありませんでした。

 

本研究によって、腰痛の治療にカイロプラクティックの併用を勧める科学的な根拠が示されました。

今後は、さらに他の条件でもカイロプラクティックの有効性を検討していく必要があると著者らは述べています。

 

 

結論・まとめ

さて、冒頭の

カイロプラクティックは効果があるのか?」への回答ですが、

「腰痛治療に関しては効果がある」と言えるでしょう。

 

ただし、今回紹介した論文で調査されているのは、腰痛に関してだけで、通常の治療にカイロプラクティックを併用する場合に限ります。

例えば、

カイロプラクティックが首の痛みにも効果があるのか

・通常の治療をやめて、カイロプラクティックのみを行う場合でも効果があるのか

等は、今回の結果からは分かりません。

 

今後は腰痛以外への有効性も調べられて、科学的な根拠が蓄積されていくと良いですね(^^)

 

 

ひろろの補足

厚生労働省は、カイロプラクティックの有効性について、一部認めています。*6

日本で、カイロプラクティックが法制化される日も、近いのかもしれませんね!(^^)

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!\(^o^)/

 

 

 

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*1:https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF-43080

*2: https://www.jac-chiro.org/research.html

*3:カイロプラクティックの安全性に関するガイドライン Chiropractic Guideline-Safet 2013.1.18. 一般財団法人日本カイロプラクター協会

*4:Goertz CM, Long CR, Vining RD, Pohlman KA, Walter J, Coulter I. Effect of Usual Medical Care Plus Chiropractic Care vs Usual Medical Care Alone on Pain and Disability Among US Service Members With Low Back Pain: A Comparative Effectiveness Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2018 May 18;1(1):e180105. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2018.0105.

*5:https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/08_openaccess/index.html

*6:https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/04.html