サバンナに賭けた青春 ザンビア・青年海外協力隊員の記録
こんにちは!
本日も、前回までに引き続き、青年海外協力隊(JOCV)に関する書籍の感想です。
今回はこちら!↓
ザンビアで活動する隊員を取材したものです。
全編を通して、NHKの取材クルーが実際にザンビアに訪れて体験したことを綴っています。
そこそこ古い本ですが、特に違和感もなくすんなり頭に入り込んでくる内容でした。
ただ、数字とかの細かい情報は古すぎる可能性があるので注意ですね。
ちなみに青年海外協力隊関連の過去の記事は以下の通りです!
ユー・アームレスリング・ウィズ・ミーね
本書の特徴ですが、まず文体が面白いです!(笑)
ザンビアのみに注目している点も特徴ですが、著者のユーモアが感じられる文章が素敵です。
押し売りに絡まれたときのお話があります。
引用してみましょう。
巨匠がすかさず立ち上がった。
「いいか、こういう奴はこっちがビビるとつけあがるんだ。アイ・アム・ジャパニーズ・ストロングマンね!」
何やら空手の形のようなものをし始めた。
「シュッシュッ」と口の効果音までついている。
「ユー・アームレスリング・ウィズ・ミーね」
これはまずいことになった。巨匠は腕相撲の勝負を挑んだのだ。プロのカメラマンである巨匠の腕は確かに今年還暦を迎えるとは思えないほどたくましい。しかし相手は二〇歳前後の若者、ベン・ジョンソンみたいないい体をしている。
どうでしょう?思わず笑みがこぼれてしまう文章ではありませんか?w
念のため言及しておくと、この人達は別に青年海外協力隊ではありませんww
ちなみに、この後腕相撲には負けてしまいますが、取材クルー達は、あの手この手で押し売りを撃退しました。(笑)
各見出しのインパクトがすごい
もちろん、本書には、興味をそそられる見出しが盛りだくさんです!
以下、いくつか列挙します。
- 水への畏怖
- 洗濯物にハエが卵を産みつける
- 浄水器!電気鍋!
- 朝はコーラで歯をみがく
- カバが死んでいる!
- カラーマン、危機一髪…
- 「あそこで煙が音を立てている」
- 一頭一頭、牛の肛門に手を差し込んで
- 変則的一次産業国家
- 雨が降れば薬が流れる
- ザンビアには二つの「国」がある
- 「今、僕が去ったらすべてが元に戻ります」
- 「日本でサラリーマンをしていて楽しいですか?」
- 生水、生野菜の誘惑
- 高層ビルと小石売り
などなど、読みたくなるタイトルではありませんか!?
面白いだけでなく、考えさせられることも多かったです。
特にザンビアにだけ注目しているので、ザンビアに関する情報量は非常に多く、それゆえの問題点がきちんと議論されています。
ザンビアでは銅が非常によく採れたので、銅産業が成長しましたが、農業などはほとんど発達しなかったそうです。輸入に頼っていたんですね。そこで、農業技術を教授できる協力隊が必要とされます。
一方で、トラクターなどの大型機械や最新技術を必要とする農業を教えてもそれでは根付かない。ザンビアに合った農業が望まれるわけですね。
また、本書は、単なる協力隊の体験談ではなく、NHKの取材クルーによる執筆なので、協力隊に対しては客観的な視点で語られています。ちょっとクルーの個性が強すぎますが。
まとめ
ザンビアの青年海外協力隊に特化した書籍なので、その分野に関しては非常に読み応えのある仕上がりになっていますし、文章が楽しいです!
私は、ザンビア?アフリカのどこだっけ?という感じでしたが、本書を読んで、今では愛着がわいてきました。 少しだけ視野が広まった気がします。
青年海外協力隊に興味がある人なら、是非ご一読あれ\(^o^)/
本日もお読みいただき、ありがとうございました。