”アレルギーの祖父”『Dr William Frankland』~抗ヒスタミン剤と花粉飛散情報のパイオニア~
こんにちは!
先日、BBCニュースにて、Dr William Franklandが永眠されたことが報じられました。*1
ご冥福をお祈り申し上げます。
皆さんはご存知でしょうか?
実はFrankland氏は花粉症研究のパイオニアです。
本日は、Frankland氏の貢献についてご紹介したいと思います。
※画像はイメージです。本文の内容を反映しているものではありません 。
アレルギーの祖父 "the grandfather of allergy"
”アレルギーの祖父” ”the grandfather of allergy"と呼ばれるFrankland氏は、
1912年3月19日にイギリスに生まれました。
なんと108歳まで長生きされ、2020年4月2日に永眠されました。*2
彼はアレルギーの研究に多大な貢献をし、
特に花粉症の研究のパイオニアでした。
花粉症と抗ヒスタミン剤
第二次世界大戦で研究から離れていた彼ですが、
1946年にロンドンのSt. Mary’s Hospitalのアレルギー部門に戻ります。
そこで、25,000~30,000人の花粉症患者を診ることになります。
Frankland氏は、1953年、同僚と共著で一本の論文を発表し、
世界で初めて、抗ヒスタミン剤が花粉症患者に有効であることを証明しました。*3
実は、元嵐の二宮さんがCMしている
「アレグラ」(フェキソフェナジン)なんかも、抗ヒスタミン剤です。*4
Frankland氏の貢献がなければ、今もなお、
我々は花粉症に苦しめられていたのかもしれませんね!
花粉飛散情報
今では当たり前となった天気予報の花粉飛散情報ですが、
これもFrankland氏が世界で初めて考案したものでした。*5
Frankland氏は、毎日の花粉の飛散量と飛散の時間帯が患者の役に立つと考えました。
病院に植物学者を雇い、毎日の花粉量を測定してもらうようにしました。
1953年から、ロンドンの毎週の花粉量は、
British Allergy Society(英国アレルギー学会)の会員に報告されるようになりました。
そして、1963年遂に、現在、我々が天気予報で当たり前のように目にする、
メディアでの花粉飛散情報の提供が実現しました。
目の前の患者だけでなく、世界中の花粉症患者に寄与する、
素晴らしい業績を残した免疫学者でした。
まとめ
本日はDr William Franklandの訃報を聞き、筆を執りました。
永眠されましたが、108歳まで長生きされ、
素晴らしい人生だったのではないでしょうか。
Frankland氏のおかげで花粉症の研究は発展してきました。
特に、彼の研究により、抗ヒスタミン剤の有効性が示され、
また、花粉飛散情報がメディアで放送されるようになりました。
花粉症を含むアレルギーというものは、
まだまだ根本的な治療は難しいのが現状ですが、
近年は免疫療法等が注目されてきています。
Frankland氏の遺志を継ぐ者が、
また新たな時代を切り開いていくのではないでしょうか。
彼の多大なる貢献に心より感謝申し上げます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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*1:https://www.bbc.com/news/uk-52150361
*2:https://www.anaphylaxis.org.uk/2020/04/02/obituary-dr-alfred-william-frankland-mbe-honorary-president-of-the-anaphylaxis-campaign/
*3:FRANKLAND AW, GORRILL RH. Summer hay-fever and asthma treated with antihistaminic drugs. Br Med J. 1953 Apr 4;1(4813):761-4. DOI: 10.1136/bmj.1.4813.761
*5:https://www.anaphylaxis.org.uk/about-the-anaphylaxis-campaign/our-team/president-and-vice-president/a-life-in-allergy/